0080戦争のできる国づくり

 

 

164国会 衆特別委 第3回(524日)

○河村(建)委員 今、文部科学大臣から、いわゆる心の内面に立ち入って評価するものではないという明快な答弁をいただいたわけでありますから、そういう点、教育現場において徹底をしていただきたい、こう思うわけであります。
 今、私の手元に、一つここにあるのでありますが、教育基本法改悪はだめだ、こういうビラが今街角で配られております。これは全日本教職員組合、全教のものだと思いますが、これは、教育基本法の改悪で戦争する国の人づくりへと、こう書いてある。これは反対だと、こう書いてあるんですが、平和を希求するという言葉がなくなって教育の目標に国と郷土を愛すると書き込んだ、それを強制する学校につくり変えていることが大きな問題ですと、こう書いて、こういう主張がしてあるわけであります。
 これは、私は、教育基本法全文を、全体を全然読んでいないんではないか、こう思うんですね。これは、国と郷土を愛する態度がそのまま即戦争につながるという心配をされておる。しかし、この新教育基本法では、他国を尊重しという言葉もある。また、前文にも、世界平和への貢献を高らかに願いうたっておる。この懸念、これは総理、教育基本法の改正というのは戦争する国の人づくりじゃない、これはひとつ明快な御答弁をいただきたいと思うのであります。

○小泉内閣総理大臣 それは、民主主義の社会においてはいろいろな意見がありますから、これがいい、あれがいいと主張して、最終的には多くの国民がどう判断するかだと思うんですけれども、我々は、第二次世界大戦後、戦争の反省を踏まえて、平和国家として発展してきたんです。さらに、この教育基本法においても、他国との協調姿勢をはっきりと押し出している。そして、お互いが自分たちの国を誇りに思い、国を愛する態度というものが重要であるというようなこともうたっている。ということは、他国の国民もみずからの国を愛しているわけですから、お互いを尊重していこうということで、何も戦争に駆り立てようというような法律だというのは、誤解というよりも曲解ではないかなと。
 物事、政党、同じことでも見方によって随分違いますから、それはそれとして、大方の国民は、そのような戦争に駆り立てる法案を意図していることではない。政府・与党の提案は、教育を重視している、新たな時代に新しい教育の理念を再認識して、今後とも立派な人材を育てることが日本国の発展につながるという趣旨の法案であるということを、今回の法案の審議の中でも十分進めていただきたいと期待しておりますし、政府としても、そのような誤解、曲解を受けないように、今後とも十分な活動をしていきたいと思っております。