0170与党協議会の議事録の公開の必要性

 

 

164国会 衆特別委 第4回(526日)

○牧委員 …私どもとしては、平成十五年三月の中教審の答申以来ことしの四月の与党合意に至るまでのこの間が全くのブラックボックスで、時折新聞でどこかがリークしたような記事が流れてきたりはいたしましたけれども、全くその中身が見えないわけで、その中身が見えないことにはこの委員会における審議の大前提もないということになるんじゃないか、そう強く主張をしてまいりまして、それがまた今日に至ったわけで、これは、もうここまで来たら、しっかりとこの委員会の場でそこら辺をつまびらかにしていただくしかない、そういう意味で質問をさせていただいた次第で、今のお話だけだと、これはまだまだ何もわかったようなわからないようなお話ですから、ぜひまた委員長にもお願い申し上げたいのは、参考人質疑もこれから順次入れていくということでございますから、その与党の協議の中で、その当事者の方、どういった議論が闘わされてきたのか、ぜひこの委員会の参考人質疑の場を設けていただいて、そこら辺の議論も、質疑もさせていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○森山委員長 関係の資料は準備できていると思いますので、配付させていただきます。

○牧委員 委員長、よろしいですか。関係資料はざっと時系列的なものはいただきましたけれども、委員の皆さんにも多分お配りされている。されていない。

○森山委員長 これから配らせていただきます。

○牧委員 これからですか。それはいいんです。
 ただ、冒頭に私、昭和二十二年の、その息遣いまで感じられるようなこういう議事録を読ませていただいて非常に感銘を受けたわけでありますけれども、やはりこういう話というのは、その議論あるいはその審議の過程というのが大事だと私は思いますから、与党内での話というのも聞かせていただく場をここでつくっていただけませんかと、そういうお話を申し上げているのであります。

○森山委員長

 失礼しました。
 ただいまの御要求につきましては、理事会で協議させていただきます。

 

 

164国会 衆特別委 第4回(526日)

○牧委員 ありがとうございます。
 こういったそれぞれの審議の、議論の状況も話し合いながら、この場を有意義なものにこれからもしていっていただきたいと私は思います。
 その意味で、もうちょっとつけ加えて質問をさせていただくと、例えば私がお配りした資料があります。これは時系列で、教育改革国民会議の報告から閣議決定に至るまでの大ざっぱな表をつくらせていただいたんですけれども、これを見て皆さんよくおわかりになると思います。平成十五年三月に中教審の答申が出されて、もう翌年の六月十六日には、与党の教育基本法改正に関する協議会中間報告というのが出ております。中間報告の中身については、これはもう公になっているわけでございます。
 ただ、今回出てきた政府案を見ると、この十六年の中間報告、もちろん中身は両論併記の部分もありますけれども、よく考えたら、この三年間のうち、むしろ十六年の六月から後半の二年間、この二年間というのが私は大きいような気がするんですよね。中間報告と最後に出てきたものの違いというのはほとんどないんですよ。両論併記だった部分を、先ほど来お話に出ております、国や郷土を愛する態度を養う、そのときは、国を愛する心かあるいは国を大切にする心なのかこういった両論併記だったと思うんですけれども、そうすると、この二年間、国を愛する心なのか大切にする心なのか、そのことだけでこの二年間を費やしたのかな……(発言する者あり)もちろん選挙もあったかもしれないけれども、このことだけでこの二年間を費やしてきたのかなと、これを見る限り思ってしまうわけですよ。だから、その間どんな議論があったのか、そういうところをやはり聞かせていただかなければ本当に中身のある議論はできないと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
 この間、我が党の藤村委員の質問でも、愛すると大切にするというのは同じなんだ、当時の、ポルトガル語のアモールというのを翻訳したら、大切にするということだから、愛すると大切にするというのは同じことなんだというお話でしたけれども、そういうことからすると、そのことだけのためにこの二年間を費やしてきたのかなと私は思わざるを得ないんですけれども、大臣、いかがでしょう。

○小坂国務大臣 平成十五年の五月以来、与党では、この教育基本法の重要性にかんがみて、協議会及び検討会、中教審の答申を踏まえた議論というものが行われたと承知をいたしておるわけでございますけれども、私自身、今政府の人間でございますので、与党における議論というものについてお答えする立場にないわけでございます。
 いずれにしても、国会において法案の審議を進めていただくことを期待しておりまして、政府としては、法案審議のために今後とも適切に対応したい、これだけ私の意見として申し上げておきます。

○牧委員 政府の立場としてはそこまでしか言えないと思いますけれども、もう一つ、そうすると、この四月十三日に与党合意ということで、四月二十五日、自民党部会、政審、総務会了承、この間、二週間足らずであります。他党のことをとやかく言うつもりはございませんけれども、この短い期間に大変だっただろうな、私は思わざるを得ないわけで、恐らく与党の大半の人たちが知らないところでこれがぱたぱたっとまとまって、そして連休前に何とか駆け込みで閣議決定、この日時、時間の経過を追っていくだけでそれはもう容易に想像できるわけで、それが、例えばきょうの午前中のこの委員会における質疑を聞いていても、自民党の皆さんの質問と公明党の質問とは、かなりやはり考え方にいまだに隔たりがあるままここに来ているんだなということが私なりによく理解できたわけでございます。
 ちょっとそこら辺のところで……(発言する者あり)法律の入り口にまだ入れないですよ、こんなんじゃ。四月十三日の与党合意を前に、各党部会に口頭で報告開始されたのが三月、ここから、協議に参加していない大多数の与党議員にとっては議論が始まったと思うんですけれども、これまでのこの三年間の与党内の協議会というのは、中間報告以外は完全オフレコで、資料もその都度回収されていたと聞いております。これで、この与党合意から二十八日の閣議決定に至る間の事情、これは大変だったと思うんですけれども、その間の事情をおわかりになる方、ちょっと教えていただきたいと思います。

○有村大臣政務官 四月十三日に与党教育基本法改正に関する協議会におきまして最終報告が取りまとめられ、政府に対して御報告をいただきました。政府におきましては、この最終報告を踏まえ、文部科学大臣、小坂大臣の強いリーダーシップのもと、御指示をいただき、早速法案作成作業に取りかかりました。
 具体的には、各条文案をめぐって、内閣法制局との調整それから省庁間の調整を踏まえ、事務次官会議等を経て閣議決定がなされた次第でございます。
 以上が経緯でございます。(発言する者あり)

 

 

164国会 衆特別委 第6回(531日)

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 憲法に準ずる法律の教育基本法についての全面改定の政府提出の法案でございまして、国会審議に入ったところでございます。私は、やはり立法提案の趣旨、関連資料等がこの審議には不可欠だと考えているものでございます。私自身は当委員会で一回目の質問でございますので、きょうはその点からちょっと入らせていただこうと思います。
 その資料の問題につきましては、理事会等におきましていろいろ議論もありました。そして、先日、二十六日の理事会に「与党教育基本法改正に関する検討会について」という資料が出されました。
 しかし、これを見ますと、第一回から第十回はまとめて一行、「現行法各条文についての議論。論点の整理。」とあるだけでございます。それで、十一回から二十六回ということで、これだけの、十回以上の回数も一行、「教育基本法改正の枠組み、「中間報告」案についての議論。」とあるだけでございます。等々で、あと、六十回から最新の七十回までは一行ずつございますけれども、私はこれを見て驚いているわけでございまして、大臣に率直なところをまず伺いますけれども、これが検討会の会議録というものでしょうか。


○小坂国務大臣 当委員会の理事会、五月二十六日ですか、そこで協議をされた結果として資料が提供された、その提供された資料に対する御意見でございますけれども、与党の協議会に関してどのような資料を提出するかということにつきましては、与党が判断されるべきものでありまして、政府としてはお答えする立場にない、このように考えております。
 いずれにいたしましても、国会において法案の審議を進めていただくことを期待しておるわけでございまして、政府として、法案審議のために適切な対応をしてまいりたい、このように考えております。

○石井(郁)委員 私どもはやはり会議の会議録ということが最小限必要ではないかということでございまして、出されたのがこういうものですということで、まず、これを会議録と見ることはできるのかどうかということの、いわば御感想的に伺ったわけですが、今のような御答弁でございました。
 そこで、改めて、この現行の教育基本法、これは当時、本当に戦後の混乱期だったと思いますけれども、第一線の学識者が慎重に議論をされたということですよね。私、きょう持ってまいりましたけれども、この教育刷新委員会、これは第一回の記録で、ずっとありますけれども、これだけの、各委員がどういう発言をされたかという記録がちゃんと残っているわけですよ。私は、立法提案というのはこういうものだというふうに思うんですね。しかも、今度これを全面改正するという中身でございますから、そういうものだと。こういう会議録があれば、これは復刻ですけれども、後々、後世、我々が読むことができるという点でも、どういう議論を経てこういう条文になったのかと、その立法者の趣旨ということは、やはり理解する上では会議録というのはもう不可欠なものだというふうに思うんですね。
 ところが、今もって今回は示されてないんですよ。私たち見るものがありません。中教審でも会議録というのはかなり大部なものがあるというのは、もう皆さん周知のとおりでございます。ですから、どういう審議で今回の条文になったのかということは、やはり明らかにしていただきたいということなんですね。
 その議事録というのは、そもそもあるんですか、ないんですか。これはいかがですか。

○小坂国務大臣 与党協議会のことでございますので、そこにどのようなものが残っているのか、私どもとしては申し上げる立場にございません。

 

○石井(郁)委員 与党与党とおっしゃいますけれども、これは政府提出の法案なんですよ。私は、今の大臣の答弁は大変おかしいと思います。(発言する者あり)おかしいですよ。この与党の検討会に文部科学省も加わっていたじゃありませんか。そうですね。その都度、文科省が論点整理、資料の説明、そして法案の整理、各条をどういうふうに整理するかということをされてきたんじゃないんですか。
 これは、当委員会にも保利委員もいらっしゃいますけれども、この検討会の後には毎回記者レクというのをやっていましたね。私もその記者レクのメモを見せていただいたこともあります。そこによりますと、かなり本当にいろいろなことを、これは保利会長自身がおっしゃっているんですよ。
 例えば、先々週、文科省に、可能であれば、政府案みたいなものをできる範囲で示してほしいとちゃんと要求したということが残っています。我々がここでの議論をもとにつくったたたき台に対して、内閣法制局意見が出て、それをもとに文科省が一条一条素案をつくっている、その一部をきょうは出されましたと、これは四月二十日なんですけれども、おっしゃっておられます。きょうは論点を文科省に整理してもらって、法文を突き合わせながら検証した。また、文科省としてはまだいろいろ論点が残っているというので、きょうは、憲法とのかかわり、義務教育にかかわる問題、宗教教育にかかわる問題、教育行政にかかわる問題など、今までどういう議論があったのか、かなり詳しい資料をつくってくれたと。
 ですから、まさにこれは与党と文科省との共同作業なんですよ。これは、私、その記者レクのメモを持っておりますけれども、それはもう記者の皆さんがよくお聞きのとおりなんであります。
 ですから、何が論議されたのか、何が論点だったのか、どういう法案作成作業をしたのかを小坂大臣が全く知らないとなったら、知らなくてこの法案を提出したのかということにもなりますので、私は、何が論議されたのかという説明責任があると思うんです。これは文科省としての説明責任を果たすべきだと思いますが、その点はいかがですか。

○小坂国務大臣 私はその検討会に出席しているわけではございませんので、その協議会検討会においてどのような議事が行われたか等については、これは与党の方にお聞きをいただきたいと思うわけでございます。
 この与党の教育基本法改正に関する検討会における審議のために、文部科学省として例えば仮要綱案のようなものを提供したではないか、こういうお話だと思うのでございますが、これは、この検討会の審議に資するために、その求めに応じて、中教審答申や、それまでの与党での議論を踏まえた議論のたたき台として仮要綱というようなものを提出したことはございますけれども、これはあくまでも与党における議論のたたき台として作成したものでございまして、その公表にかかわることは与党が判断すべきもの、このように考えているところでございます。

○石井(郁)委員 毎回の記者レクの記録というのはかなりちゃんと、それなりにあります。だから、それは文科省として持っているはずですよ。毎回、与党と文科省との検討作業を行ってきたという事実があるわけですから、それは文科省として、やはりきちんと整理をされて、私は提出されるべきだと思います。
 この点は、委員長にもぜひそのようにお諮りをしたいと思いますが、いかがですか。

○森山委員長 ただいまの資料の要求につきましては、理事会において協議したいと思います。

 

164国会 衆特別委 第6回(531日)

○石井(郁)委員 今の御答弁を伺っても、結果としてというか、こういう結論です、その結論はこういうことですということはおっしゃったわけですけれども、お聞きしていますのは、それにはやはり相当な議論があっただろう、だから与党検討会も三年間かけてこられたわけでしょう、その議論が見えないんですよね。そこには、やはり賛否両論があったり、あるいはまた、賛成でもいろいろな理由づけがあったりするでしょう。それが全く示されないんですよ。結論だけが押しつけられている。
 それは、私は、国民の方にしたらもっと深刻だと思うんですね。だって、中教審答申は三年前ですけれども、二年前に与党の中間報告案というのが出されました。その後、今日までというのは全くのブラックボックスです。そして四月、突然この法案概要として示されて、四月の末、法案提出ということになりました。だから、国会も国民もこの法案についてはそれまで全くわからない。しかも中教審とは違うものが随分入っている、こういうことですから、それはどういう議論でそうなったのかというのは、私は、文科省が説明責任を果たすべきだというふうに思うんですね。そうしなければ、余りにも国会軽視でもありますし、また、国民に対する説明責任を果たすことにもならないというふうに思うんです。その意味で、私は、到底今のような御答弁だけでは満足できないわけですね。
 教育刷新委員会では何しろこれだけの議事録が残る話ですから、戦後初めてのいわば大改定のときに、ただ結論だけおっしゃっても、それでよしとするわけにはいかない。どういう議論があったのかということは、徹底して、議事録として、あるいはできる限り国会に開示されるべきだというふうに思います。
 この点では、政府提出ということでございますので、きょうお越しいただいている官房長官にも、通告はしておりませんけれども、一言、こういう事態をどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。

 

○安倍国務大臣 私も二年前幹事長として与党の協議に参加をしていたこともあるわけでありますが、会を重ね、極めて広く深く議論をしていた、このように思っております。
 これは与党での協議でございますから、政府として、その中身を出せとか議事録を出せと言う立場ではないというふうに考えております。