0270子どもの最善の利益の政府案および民主案における位置

 

 

164国会 衆特別委 第12回(68日)

○小宮山(洋)委員 今の御答弁にあったことは全部、国とか地方公共団体あるいはさまざまなところがそういう場を用意するという、用意する側からの規定でありまして、心はそういうことかもしれませんけれども、政府案を見る限り、子供の権利として学べる学習権ということは見受けられない。そこのところが、そこを大事に明記した民主党案と違うのではないかというふうに思います。
 最初に申し上げた子供の視点ということで、一番そのことが顕著にあらわれているのは、子供にとっての最善の利益ということ。これは、御承知の子どもの権利条約、児童の権利条約の一番基礎になっている考え方です。この児童の権利条約というのは、御承知だと思いますが、国連の条約の中では最も多い国が批准をしている。現在、百九十二カ国が批准をしておりまして、そのために、各国の政府は、この条約の精神に基づいて法整備をするなどの実体を整える責任があるわけですね。
 民主党案の場合は、子供の視点から、子供にとっての最善の利益ということで、適切かつ最善な教育機会、環境の創出と確保、整備というように、学校教育、幼児期教育など複数の条文に、子供にとっての最善の利益ということを明記しております。これを明記した民主党の心というか考え方、並びに、そういうものが見受けられない政府案について、提出者と政府に伺いたいと思います。

○高井議員 (無償教育についての答弁)

 

○小坂国務大臣 御指摘の児童の権利条約第三条におきましては、「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」と規定をいたしておりまして、我が国はこの締結国として、児童に関する措置をとる際の一般原則として児童の最善の利益が主として考慮されることが規定をされ、それを受けているわけでございます。
 我が国においても、この趣旨を踏まえて、児童一人一人を大切にした教育を行うことが求められている。この原則を踏まえておりますので、特に私どもは規定を設けておりませんが、こうした点につきましては、既に日本国憲法の教育を受ける権利や教育基本法の教育の機会均等など、現行の国内法制によっても保障されているところでございまして、特に新たにそういう文言を盛り込んでいないところでございます。