0400日本国憲法の精神に則りの意義

 

 

164国会 衆特別委 第6回(531日)

○斉藤(鉄)委員 ここで言う日本国憲法の精神とは何なのか、また、この「日本国憲法の精神にのっとり、」と規定した趣旨は何かということについてお伺いをいたします。

○小坂国務大臣 現行教育基本法は、日本国憲法に定める理念を教育において具体化するための規定を多く含むなど、現行の日本国憲法と密接に関連している法律であることから、「日本国憲法の精神に則り、」と規定された、このことについて委員から詳しく御説明をいただきました。
 改正後も、日本国憲法が教育基本法と密接に関連している、逆な言い方でございますが、教育基本法が日本国憲法と密接に関連しているという性格自体は変わらないものでありまして、教育基本法が我が国の教育の根本理念を定めるものであることを明確にして、さらに強調するために、引き続き、「日本国憲法の精神にのっとり、」と規定したものでございます。

 なお、この日本国憲法の精神とは何かということでございますが、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、さらに申し上げるならば、法のもとの平等、そして教育を受ける権利等々でございます。この教育基本法案においても、「個人の尊厳を重んじ、」これは前文において規定をしております。平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康的な国民の育成という第一条の項目など、憲法の精神を具体化する規定を設けているところでございます。

 

 

164国会 衆特別委 第4回(526日)

○稲田委員 …教育基本法の改正は、憲法の改正と並んで、戦後体制のゆがみを是正して、失われた日本の伝統と美徳を取り戻す、そういった改正でなければならないと考えております。
 そこで政府にお伺いいたしますが、今のような観点からいたしますと、政府の前文の中に、「ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、」という言葉が入っていることに私は若干の違和感を覚えるわけでございます。なぜ今、日本国憲法の精神なのか。日本国憲法の精神を生かした現行教育基本法を改正するに当たって、なぜ日本国憲法の精神なのか。その日本国憲法の中には日本の伝統、文化というものの観点は全く入っていないわけですから、この文言を前文に入れるその趣旨についてお伺いいたしたいと思います。

○小坂国務大臣 現行の教育基本法は、日本国憲法に定める理念を教育において具体化するための規定を多く含んでおります。現行の日本国憲法と密接に関連している法律であることから、「日本国憲法の精神にのっとり、」と規定されているわけでございます。改正後も、基本法は、日本国憲法と密接に関連しているというその性格そのものは変わらないわけでございます。

 

 

164国会 衆特別委 第4回(526日)

○斉藤(鉄)委員 現行法と同様、「日本国憲法の精神にのっとり、」という文章が規定されております。「我々は、日本国憲法の精神にのっとり、」とは、現憲法の三原則、平和主義、基本的人権の尊重そして主権在民、この三原則にのっとり、こういう意味だろう。
 そういう意味では、先ほど、今度憲法が改正された時点においては教育基本法も改正されるんですかという御質問がありましたが、この三原則については、憲法が改正されたとしてもここは揺るぎないものだ、このように私は思っておりますので、そういう意味では、憲法が変わっても「日本国憲法の精神にのっとり、」というところはそのまま生きてくるんだろう、このように私自身は考えておりますが、憲法と密接に関連する教育の根本法という性格は今回の政府案においても変更されていない、こういう理解でよろしいでしょうか。

○小坂国務大臣 おっしゃるとおり、今回の改正は、現行法の普遍的な理念を大切にしながらも、今日極めて重要と考えられる理念を明確にしようとするものでありまして、現行法の持つ教育の根本法としての性格は不変でございます。
 また、先ほど答弁を申し上げましたように、「憲法の精神にのっとり、」ということで、現行憲法が改正された場合にも、憲法と抵触するような部分がない限り、この基本法はそのまま維持されるということになるわけでございます。

 

 

164国会 衆特別委 第8回(62日)

○笠井委員 今度の法案では、今、前文で紹介したような憲法がないんですよ、「この理想」というところには。だから、憲法の理想を実現するためという意味じゃないんです、その文章は。だから全然違うんですね。…

 

○田中政府参考人 ただいま、日本国憲法という文言がないではないかという御指摘でございましたが、三パラグラフを見ていただければわかりますように、現在提案させていただいております教育基本法案の中に「ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。」というふうにさせていただいております。