〜2006年6月 団体の声明・見解(2006年7月〜)



教育基本法案の与党による単独採決に対する会長談話

本日、教育基本法案が与党の単独採決により可決され参議院に送付された。

しかし、なぜいま教育基本法を改正しなければならないのか、その改正によって教育がどのようによくなるのか、改正の必要性を根拠づける理由は、同特別委員会での審議では、未だ明らかになっていない。

当連合会は、政府案は、現行法10条の国家等による教育に対する不当な支配を禁ずる内容を実質的に改変するものであり、教育行政による教育振興基本計画の策定等を梃子(てこ)とした教育内容への不当な介入を強めることになるとの懸念を表明しているが、その懸念も未だ払拭されていない。

教育が人格の完成を目的とする営みであることに照らせば、その基本理念を定め立憲主義的性格を有する教育基本法の改正は、その時々の政治的多数派の意思で左右されてはならない。教育は国家百年の計であり、国民が十分に納得する内容を、適正な手続を経て行うものでなければならない。

現段階では、十分かつ慎重な調査と審議が尽くされたとは言えず、このような段階での与党単独採決は極めて残念である。

この上は、参議院において、原点に還って、良識の府にふさわしく、教育基本法の理念を尊重し、改正の必要性や法案の有する問題点について、国民的基盤に立った審議を更に十分に尽くすことを強く求めるとともに、現在提案されている政府案の内容でこのまま法改正をすることには反対であることを改めて表明するものである。

2006(平成18)年11月16日

日本弁護士連合会
会長 平山 正剛

このページの先頭へ


教育基本法「改正」案の衆議院採択に抗議する

2006年11月16日

全国大学高専教職員組合
全国公立大学教職員組合連合会
日本私立大学教職員組合連合

政府は本日、衆議院本会議において教育基本法全面改悪案を強行採決した。

私たちは、この採決に強く抗議するものである。

政府・与党は、「十分審議した」と強弁するが、特別委員会の審議では何故教育基本法をいま「改正」しなければならないのか、そもそもの「改正」理由さえ明確になっていない。本法案は、戦後日本の民主的教育原理を根本的に否定する性格を帯びているが故に、本質的な議論が十分になされなければならなかった。にもかかわらず、政府・与党はこれを回避し続けた。加えて、
厳密な逐条審議も十分になされていない。

審議はまったく不十分であり、本法案の立法過程は依然としてその瑕疵をまぬがれていないと考える。

私たちは、参議院での審議において、衆議院での異常な審議経過、広汎な批判的国民世論などをふまえ、本法案の持つ問題性を徹底的に明らかにし、さらに幅広い共同の取り組みにより、廃案とすべく全力を尽くすことをここに表明する。

このページの先頭へ


『政府、与党による教育基本法改悪法案の委員会採決強行の暴挙に抗議する』

全日本教職員組合 書記長 東森 英男

政府、与党は本日夕刻、衆議院教育基本法に関する特別委員会において政府提出・教育基本法改悪法案の単独採決を強行しました。

私たちは、「採決を急ぐな」という国民多数の世論を無視して採決を強行した与党に対して満身の怒りをこめて抗議を表明するものです。

教育基本法改悪法案は、先の通常国会の審議を通じて憲法の諸原則に反する根本的な問題点が明らかになっています。

それに加えて、いま重大な社会問題となっている「いじめ」・自殺問題について、国民全体の努力で解決が求められるとともに、これまでの教育政策の抜本的検討をふくめた国会での真剣な審議が求められています。さらに、高校における世界史の未履修問題についても、文部科学省から幹部職員が出向していた県の教育委員会で事態が放置されていた問題や、文部科学省の委託研究で明らかになっていた未履修の事実を文部科学省が追及を怠っていた問題など、法案審議の前提となる問題が多く残されています。これらの問題は、教育の根本法である教育基本法のあり方に直結している問題であり、切り離すことのできない重要問題です。

それに加えて、9月2日の青森県八戸市における政府主催のタウンミーティングをはじめ全国各地で「やらせ」が行われていた事実が明らかになったことは、政府・文部科学省に法案提出の資格があるのかという根本を問う重大問題です。

このような事態の中で、教育基本法改悪法案を強行採決した与党の暴挙は断じて許されません。

私たちは、採決を撤回し、衆議院教育基本法に関する特別委員会で審議をやり直すことを強く求めるものです。

教育基本法改悪法案の持つ重大な問題点を明らかにし、国会での徹底審議を求めるたたかいは全国で大きく広がっています。徹底審議を求める野党の要求を拒否した与党による採決の強行は、国民的なたたかいに追い詰められた結果であり、国民的な運動をさらに発展させれば臨時国会で廃案をかちとる可能性と条件は広がっています。

私たちは、子どもたちのすこやかな成長、日本と世界の平和な未来を願う国民のみなさんとの共同をさらに強めて、憲法改悪につながる教育基本法改悪法案の廃案をめざすたたかいをいっそう強化するものです。

当面、11・17中央行動・中央大集会の成功をはじめ、国民世論で政府、与党を包囲するたたかいを強化する決意を表明します。

以上

2006年11月15日

このページの先頭へ


衆議院における教育基本法「政府法案」の強行採決に抗議し国民的論議を求める声明

本日、与党は衆議院「教育基本法に関する特別委員会」で教育基本法「政府法案」を強行採決した。

国民の広範な声を聞く目的である「内閣府タウンミーティング」において、政府は教育基本法「改正」を支持する「やらせ質問」をさせていたことが発覚した。これまで教育改革フォーラムやタウンミーティングなどを通じて、教育基本法「改正」が国民に浸透してきたとしていたが、世論操作をしていたことが明らかとなった。その内容解明・責任も明確に示さず、慎重審議を求める国民にも目を向けることなく、数の力で強行採決したことは、国民の願いを踏みにじる行為であり、強く抗議する。

私たちがとりくんだ「教育基本法調査会の設置に関する請願署名」は、日教組以外の働くなかまや市民からも多くの支援・協力があり、わずか半年の間に235万筆に及んでいる。数々の世論調査でも、教育基本法「改正」について「どちらともいえない」「今の国会にこだわらずに時間をかけて議論すべき」という意見が多く、慎重審議を求める国民の声が確実に高まっている。国民的合意がなされたとは、ほど遠い状況にある。

政府法案は、教育の目的を「人格完成」から「国に有益な人材育成」に転換させ、「基本的人権の尊重」「民主主義」「平和主義」などに関わる事項を侵害するとともに、憲法改悪につながりかねない。

私たちは、公教育を根本から変えようとしている教育基本法「政府法案」に断固として反対する。

なぜ「改正」する必要があるのか、一からの審議のやり直しを強く求める。

2006年11月15日
日本教職員組合

このページの先頭へ


トップページへ