教育基本法「改正」法成立後の団体、市民運動、識者の声


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日本最大の合同教会が反対声明 教育基本法改正

信徒数10万人以上で国内最大のキリスト教合同教会、日本基督教団(東京都新宿区)は、今月12日に山北宣久総会議長名で、教育基本法改正に反対する声明を出していた。 同日行われた同教団第35総会期第1回常議員会が「反対決議案」を総議決権総数の半数以上の賛成で可決した。本紙の取材に対し同教団事務局が27日明らかにした。

声明では、11月16日の衆議院本会議で野党欠席のまま改正案を一方的に可決した「与党の態度に強く抗議する」と非難したうえで、「『改正』案では国家管理色を強める内容を明確にしている。これが成立すれば、こどもたちの心の中に権力がふみ込み、日の丸・君が代の強制は当然のことになって、教育行政に対する批判は許されなくなる」と訴えている。

また、現行の教育基本法が戦前の国家主義を忌避して、真理と平和を希求する人間の育成と個性豊かな文化の創造をめざす日本国憲法の理念のもとに作られたが、「その理念を放棄した教育へと改革されようとしている」ことに深い憂慮を示している。

声明は安倍晋三首相宛てに出され、首相と公明党に送付された。

Christian Today 2006年12月27日

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日本ナザレン教団が抗議表明 教育基本法改正

政府の教育基本法改定に対し、キリスト教界の諸団体が反対声明を相次いで出している中、日本ナザレン教団(東京都目黒区、齋藤清次理事長)が11月20日、「教育基本法改定に反対する声明」を発表した。

声明文は「教育の目的を『人格の完成』から『国のために役立つ人間の育成』へと逆転させている」と批判している。「人間の心の自由、信教の自由にまで踏み込み、不当に制限する危険性を強く感じる」との懸念を示した。

「多くの反対があるにもかかわらず強引に変更しようとすることは問題」「キリスト者として平和を希求すべく、平和憲法の改悪にもつながる教基法の改定に強く反対します」と主張した。

Christian Today 2006年12月27日

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日教組、あの手この手 教育基本法審議で想定問答集

日本教職員組合(日教組)が11月下旬、民主党の参院議員らに、教育基本法改正案審議に向けた想定問答集を配布し、質疑での活用を呼びかけていたことが25日、分かった。問答集は日教組の森越康雄委員長の名前で出され、34ページ。日教組の政治団体、日本民主教育政治連盟(会長・輿石東民主党参院議員会長)所属の議員のほか、「協力関係にある議員に配った」(日教組)という。

問答集では、例えば、旧教育基本法の「教育は国民全体に対して直接責任を負って行われる」という条文に関し、質問案に「『直接責任』条項をなくした理由は何か」とある。これを参考にしたのか、民主党の下田敦子氏が11月28日の特別委員会で「条項をなくした理由をまずうかがいたい」と質問。同じく神本美恵子氏(元福岡県教組女性部長)も12月5日に同じ趣旨で追及した。

日教組は、「議員それぞれのお考えがある。(問答集を)活用した議員もそうでない人もいる」と説明。日教組が質問議員に質問内容を押しつけたのか、逆に議員があまりにも不勉強なので、日教組が手助けしたのか、その経緯は不明だが、いずれにしても、改正教育基本法は日教組にとって、かなり都合が悪い法律だったことがよく分かるエピソードだ。

産経新聞 2006年12月26日

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教育基本法「改正」反対の意外な面々

12月12日午前、教育評論家の尾木直樹さんは、参議院議員会館内の会議室でマイクを握り、こう切り出した。

「組織の一員として記者会見するなんて初めてです。評論家としては組織に縛られず、いつも自由な立場でいなければならないと思ってきましたから。でも、いまはすごくせっぱ詰まった気持ちです」

尾木さんをこんな気持ちにさせたのは、すでに衆議院を通過し、参議院で審議中だった教育基本法改正案だ。15日、参議院でも可決され、成立した。

●何もしないの悔しい

尾木さんと共に記者会見に臨んだ日本大学文理学部の広田照幸教授(教育社会学)も、これまではこうした運動に参加することを避けてきた。自らの考えは研究成果で発表する誠実な研究者でありたかったから。でも今回は、「気がつくと、国会前でメガホンを持って、反対を叫んでいた」

13日にキャンドルを手に改正反対を叫び、国会を取り囲んだ4000人の中には、自称「1カ月前までは反対運動をしようなんて思ってなかった学生」の浅野大志さん(22)の姿も。埼玉大学教育学部に学び、小学校教員を目指している。参院特別委の公聴会で、公述人として発言もした。

そして、文芸評論家の斎藤美奈子さんまでが、「久々に市民運動意識に目覚めた(笑)」と、知人らにメールを書き送り、こんな言葉で、改正案の今国会での採決を阻止し徹底的に審議するよう求めるネット署名への参加を呼びかけた。

「ずっとヤキモキしていたのでしたが、絶望するにはまだ早いってことで。何もやらないのって悔しいじゃないの」

いつもはクールな知識人たちが熱くなっているのは、なぜなのか。

広田さんは言う。「教育基本法は教育における憲法。成立しても明日から何かが変わるわけではありませんが、教育に関するすべてのことに影響を及ぼす。5年後は教育を巡る空気の組成が変わっているでしょう」

教育の理念や原則、枠組みと、政治や行政の責務を規定した現行法が、権力の介入を規制し教育現場の自由や自律性を保とうとしているのに対し、改正案は子どもや家庭に、「かくあるべし」という像を押しつけ、命令し、縛るものになっている、と。

その最たるものが、新設された「教育の目標」という条項だ。「真理を求める態度」「勤労を重んずる態度」「国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度」などを達成することが教育の目標だと、こと細かく定める。

斎藤さんは言う。

「日本の教育は戦後61年間、現行法の下で理想の教育を目指してきた。もはや空気のようなものだったけど、改正後は過剰に意識されるでしょうね。しかも、『態度』のオンパレード。『態度悪いぞ』とチェックされるようになりますよ。だいたい、法律に人格を規定される必要なんてあるんでしょうか」

文部科学省は次期国会で、学校教育法の改正を目指している。学校の種類や、何年間で何を学ぶかなど、学校制度の基本を定める法律だ。幼稚園から大学まで、各段階の目標に、愛国心などの徳目が盛り込まれる可能性がある。

●「可能性はまだある」

教育基本法改正案は、政府に「教育振興基本計画」を策定するよう求めており、教育に関する予算はこの計画に基づき配分される。計画には学力テストが含まれる予定で、成績のいい学校に予算が重点配分されることも危惧される。

広田さんらが呼びかけ人になり斎藤さんも賛同したネット署名には1万8084人が参加し、全国で反対集会やデモ、署名活動が続いた。斎藤さんは、こう期待する。

「メディアを含め、この改正で何が起こるのかに人々が気づくのは遅かったけど、この秋以降の盛り上がりはすごかった。法律は成立しちゃったけど、現場の運用で行きすぎを止められる可能性は、まだあるんじゃないでしょうか」

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【アピール】与党による政府教育基本法「改正」法案の採決に抗議し、教育の自由と平等、そして「平和の砦」としての学校を獲得することをあらためて訴える

2006年12月22日 
「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」呼びかけ人大内裕和、小森陽一、高橋哲哉、三宅晶子

2006年12月15日の参議院本会議において、自民党・公明党の与党は教育基本法「改正」法案の採決を強行しました。大きな問題となった「やらせ」タウンミーティングに見られるように、この法案に関する主権者の合意形成のプロセスには大きな疑問があります。臨時国会では、形式的な審議時間の消化が最優先され、政府法案の中身について十分な審議は行われませんでした。衆・参両院の特別委員会の公聴会や参考人質疑に招かれて発言した、公述人・参考人21名(12月13日現在)が連名で「教育基本法案の徹底審議を求める」アピールを発しました。各種の世論調査でも、今国会での成立に反対する人々は過半数を超えていました。こうした状況であるにも関わらず、審議を一方的に打ち切り、「数の力」によって強行されたこの採決に、私たちは心から怒りをもって抗議します。

「教育の憲法」とも呼ばれる「改正」前の教育基本法は、天皇制国家主義教育を支えた教育勅語を否定し、個人の尊厳と平和主義を基本理念としています。しかし「改正」後の教育基本法は、「伝統文化」や「愛国心」といった国家主義を教育現場に強制し、「教育の機会均等」を解体することで、子ども一人ひとりが平等に学ぶ権利を奪い、新自由主義によって生み出される「格差社会」を固定化するものです。教育基本法「改正」とは改悪に他ならず、これによって教育現場は根底から変えられてしまう危険性があります。さらに改悪教育基本法は自民党の新憲法草案との整合性をチェックしたとの伊吹文科相の発言からもわかるように、この次に憲法の改悪が狙われていることは間違いありません。

しかし私たちは絶望していません。希望はあります。2003年12月23日に行なわれた「教育基本法改悪反対!12・23全国集会」の成功以来、組織・団体の枠を超えて教育基本法改悪反対の一点でつながる運動が全国各地で広がりました。それは現場教職員、保護者、市民など、様々な立場の人々が新たな連帯をつくり出しつつ、多彩に展開されました。特に、格差社会に直面し、政治的・社会的課題に取り組むことがとりわけ困難な状況に置かれている若い人たちが、この運動に加わってきたことは大きな希望です。この運動を通して、私たちは改悪前の教育基本法に盛り込まれた、個人の価値、教育行政からの教育現場の自由、教育の機会均等などの理念がもっている価値を再認識することができました。それは改悪前の教育基本法が法律としては存在しながらも、それを十分には現実化することができていなかった私たちが、その理念を教育の主権者としてあらためて獲得し、実践する過程であったといえるでしょう。

今後は改悪教育基本法を実効ならしめるための関連法案が提出され、教育における自由と平等を解体するための具体的な動きが始まります。また憲法九条の改悪をにらみながら、戦後まがりなりにも「平和の砦」として存在してきた学校を、「日の丸・君が代」強制など「愛国心」教育の徹底によって、「戦争の担い手」を育成する場へと変えていくことが狙われるでしょう。改悪教育基本法が教育現場で具体化する動きを阻止する闘い、そして日本国憲法・子どもの権利条約と矛盾する改悪教育基本法を無効化させる闘いを通して、私たちがこれまでつくり出してきた新たな連帯をさらに広げていくことができた時、これからの展望が開けてきます。

教育の自由と平等、そして「平和の砦」としての学校を獲得するための真の闘いはこれからです。「今日の困難」を「希望の前夜」とするために、私たちの力を合わせましょう。

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ながさき9条フェスタ:「憲法9条堅持を」 石坂啓さんも講演−−長崎 /長崎

被爆地長崎から憲法9条の理念を広げる「ながさき9条フェスタ」が17日、長崎市公会堂であった。実行委の主催で、昨年5月以降4回目。ユニークな話術が持ち味の漫画家、石坂啓さんの講演もあり、約700人の市民が参加した。

朝長万左男・長崎大教授があいさつで「改正教育基本法の成立でこの国はどこへ行くのか。日本が体制的になるなか、平和憲法を今こそ堅持する必要がある」と述べた。

続いて石坂さんが「そんなに戦争がしたいのか」と題して講演。漫画「ドラえもん」を引き合いに「今の日本は、わがままな米国のジャイアンに寄り添うスネ夫君みたいなもの。戦争を放棄する憲法9条を守りましょう」などと呼びかけていた。【柳瀬成一郎】

毎日新聞長崎版 2006年12月18日

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改正教育基本法:成立に抗議声明−−県高教組

教育目標に「愛国心」を盛った改正教育基本法が可決・成立したのを受けて、県高等学校教職員組合(佐久間美弥子委員長)は強行採決に対する抗議声明を発表した。

声明によると、いじめ・自殺や未履修問題は、生徒や教職員が競争や評価にがんじがらめに縛られ、協力・協調の人間関係を断ち切られている事態の中から表面化しているものだと主張。「タウンミーティングでの『やらせ』という世論誘導により正当化した改正基本法は、この事態を改善するのではなく、矛盾をより深刻化するものだ」と訴えている。【中川紗矢子】

毎日新聞千葉版 2006年12月17日

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改正教育基本法:コリアンNGOセンター、成立受け声明発表

「改正教育基本法」が与党の賛成多数で成立したことを受け、民族教育の権利確立や、人権保障などに取り組む「コリアNGOセンター」(大阪市東成区)は16日、「改訂教育基本法成立にかかわっての声明」を発表した。

教育基本法の審議が、在日コリアンをはじめとする多民族・多文化の子どもたちの教育や人権について「なんら触れられないまま進んだ」と批判。「改訂法では『愛国心』や『郷土愛』を徳目として位置づけており、多民族・多文化の子どもたちの存在がさらに軽んじられ、これまで以上に萎縮(いしゅく)を強いられないかと強い危惧(きぐ)を抱いている」としている。

その上で今後、学習指導要領や教育振興基本計画など、関連法規の改定論議では「日本政府も批准する国際人権諸条約の趣旨を踏まえた人権教育や多民族・多文化共生教育」を位置づけることを要望。その中で、「愛国心や郷土愛が強調されることのないよう」求めた。【中村一成】

毎日新聞大阪版 2006年12月17日

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みにニュース:県高教組が改正教育基本法に抗議声明

県高教組は16日、成立した改正教育基本法への抗議声明を発表した。同法は15日の参院本会議で自民、公明の与党の賛成多数で可決した。声明では、「国を愛する態度」を強制することになり憲法19条に定める「内心の自由」を侵す▽「やらせ」のタウンミーティングやいじめ問題など、山積する問題を置き去りにしたまま法案を強行採決したことは許されない▽改悪教育基本法の具体化を許さず、教育を国民の手に取り戻す−−などと主張している。県高教組は「(改正教育基本法の成立は)憲法改悪のための布石であり、今後も現行の教育基本法の理念を実践していく」と話している。

毎日新聞岡山版 2006年12月17日

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教育基本法案強行採決 4団体が抗議声明

国会で審議されていた改正教育基本法が自民、公明両党の賛成で可決成立したことに対し、県平和運動センター(黒木安秋議長)と民主教育をすすめる県民会議(藤岡直登会長)、佐教組(近藤正敏委員長)、県退職教職員協議会(上芝正子会長)の4団体は16日、抗議の声明を発表した。

声明文は改正法を「戦前の国家主義教育をほうふつとさせる内容」と批判。国会審議についても「政治の思惑で翻弄(ほんろう)され、子どもが置き去りにされた間違いだらけの改正」と抗議し、「関係諸法の成立に反対し、改悪教育基本法の実効性を阻止するため運動を継続する」としている。安倍晋三首相に郵送する。

県教育会館で会見した近藤佐教組委員長らは「子どものための教育ではなく、国のための教育に変えられてしまった」と問題点を指摘。「今後約2年かけて関係諸法や条例が改定されていくが、一つずつ問題を検証し、反対運動を広げたい」と話した

佐賀新聞 2006年12月17日

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改正教育基本法:「子どもが置き去りに」県教組など抗議

県教職員組合(近藤正敏委員長)など4団体は16日、国会で15日に成立した改正教育基本法について「政治の思惑でほんろうされ、子どもが置き去りにされた、間違いだらけの法改正だ」と抗議する声明を出した。18日に安倍晋三首相あてに発送する。

団体は他に県平和運動センター、民主教育をすすめる県民の会、県退職教職員協議会。声明によると、国民の賛同の論拠となったタウンミーティングが世論操作であった▽子どもの人格形成という核心論議を深められないまま衆・参議院とも強行採決した−−などと批判。「実効性を阻止する運動を継続する」と表明している。

記者会見した近藤委員長は「教育の根幹にかかわる問題がまさに政治スケジュールで進められ、憤りを感じる。今後、具体的な法令も変えられていくため、一つ一つの法案の動きに対応していく」と語った。【姜弘修】

毎日新聞佐賀版 2006年12月17日

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改正教育基本法:現場や保護者らに波紋 県教組など抗議声明、一方で評価も

「愛国心」「家庭教育」などの項目が新たに盛り込まれた改正教育基本法。参院での可決・成立を受け、教育関係者や保護者らからさまざまな声が上がった。県教職員組合(県教組)と県高校教職員組合(県高教組)が16日、抗議声明を発表するなど波紋が広がっている。【藤原弘、小畑英介】

県教組と県高教組は16日会見し「十分に審議を尽くすことなく、国民的合意を得ないまま強引に『改正』したことは、自民党・公明党の国民に対する犯罪的行為」とする抗議声明を出した。県高教組の横道信哉委員長は「教育基本法は書き換えられてもその理念は永遠に生きる。取り組みを続ける」と話した。

国会では「愛国心」が論議の的となる一方、政府が国民の声を聴く場と位置付けたタウンミーティングで「やらせ問題」が発覚し、その予算支出のあり方も含めて批判を浴びた。「愛国心」の評価が可能かどうかなど、教育現場には疑問や注文の声もある。

ある中学校男性教諭(45)は「『態度』はあいまいな言葉。指導・評価は不可能に近い」と話す。一方、ある小学校校長は、淡々と「現場をどうするか、具体的な肉付けはこれから」と話し、「国会のやり取りは十分でなかったと思うが、関心を集めたことも事実。(改正には)賛否両論あるのだから、国も大きな変化には慎重になってほしい」と注文を付けた。

小学生3人の子を持つ大分市の女性(40)は「国、政治家の望む教育もあれば、保護者たちが望む教育もある。頭ごなしに決めずに、じっくりと子供のために必要なことを考えてほしい」と話した。

一方、評価する声も。衆院特別委の地方公聴会(先月13日)で意見陳述した県高校pTA連合会長の高橋正夫さん(56)は「もう少し突っ込んだ議論をしてほしかった」としながらも「家庭教育や地域の教育力を考えるバックボーンになり、研修などの施策が期待できる」と話した。

毎日新聞大分版 2006年12月17日

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山田邦子さんも初参加、「反戦」訴える女たちの集い

設立26年を迎えた「戦争への道を許さない女たちの連絡会」が主催した集いが16日、東京・渋谷であった。歌やリレートークなどを通じ、反戦運動に取り組んできた女性たちが平和への思いを語った。「愛国心」条項を盛り込んだ改正教育基本法が成立したことを「憲法改正につながる道」と心配する声が相次いだ。タレントの山田邦子さんも今年から参加し、詩の朗読に満員の聴衆が聴き入った。

朝日新聞 2006年12月16日 19:33

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教育基本法改正:可決、長野で抗議活動−−県民ネット

教育基本法の改正案が参院本会議で可決されたことを受け、県教組などでつくる「教育基本法を活かす県民ネットワーク」が15日、長野市のJR長野駅前で抗議活動を行い、「生徒や父母、教職員の声を無視した強行採決で、絶対に許してはいけない」と訴えた。

同ネットのメンバーが通行人にビラを配布。自ら手を伸ばしビラを受け取る人の姿も見られ、市民の関心の高さをうかがわせた。同事務局の中村和幸さんは「基本法を改正するなら、入試問題など本質的な議論をしてほしかった。政府のやり方に怒りを感じている」と話した。【川崎桂吾】

毎日新聞長野版 2006年12月16日

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改正教育基本法:成立 強行採決に抗議−−県教組など

改正教育基本法が参議院本会議で可決、成立したことに対し、県教職員組合などは15日、「憲法に準じる重要な法案を十分に審議を尽くさず強行採決した」として抗議声明を発表した。

声明は「タウンミーティングでの『やらせ質問』が発覚し、国民の意見を聞くという前提が崩れた中、『まず成立ありき』と数の力で採決したことは暴挙」と主張。「改正で、いじめによる自殺などの諸問題は解決するのかという国民の疑問にも応えていない」と指摘し、「学校現場の課題に正面から向き合い、教育の本質から論議しなおすこと」を求めている。【笠井光俊】

毎日新聞福岡版 2006年12月16日

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教育基本法改正成立見通しに県内の反応

教育基本法改正案が臨時国会で可決、成立した15日、県内では、教職員組合など教育関係者らが座り込みの反対行動をする一方、教育の現場からは改正に賛成する声も聞かれた。

県教組や高教組などの労働組合や政党でつくる「平和憲法を守る県民会議」は同日正午過ぎ、熊本市辛島町の辛島公園で抗議の座り込みを行った。教育関係者や労組関係者ら約50人が昼休みの合間をぬって参加し、「ストップ! 教育基本法改悪」などと書いた布などを手に約1時間座り込みをした。

同会議の議長、福島将美さん(72)は「子どものことを第一に考えて慎重に行うべきなのに、強行採決を急ぐ姿を見ていると、政治的なものが教育現場に介入していくのを感じる」。元教員で社民党県連合の森川生朗代表は「戦争中は捕らえられることを恥と教えられ、命を落としたり、ずっとジャングルにこもったりする人がいた。教育は間違った方向に行くと怖い」と訴えた。

教育現場からは反対、賛成それぞれの声が上がった。氷川町の小学校の男性教諭(48)はテレビや新聞で動向を見てきた。「教育は大枠の中で子どもや親、地域の声を受けながら創意工夫して作り上げるもの。外から大きく働きかけがあると、こういう子に育ってほしいという身近な人の願いが疎外されてしまう」と不安がった。

一方、50代の男性教諭は「これまでは非常に漠然としていて、いまの社会現象に対応できていない。改正では愛国心など具体的に踏み込んでいて基本的には賛成だ」と歓迎した。

朝日新聞「マイタウン熊本」 2006年12月16日

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「根本の問題を放置」/教基法改正 教員・父母ら危機感

「教育現場に競争原理が持ち込まれ、今まで以上に子どもの心が荒れてこないか心配だ」。那覇市内の小学校長は、改正法が重視する能力主義を批判。「お互いを高め、磨き合う競争は必要だが、教育が弱肉強食の世界であってはならない」と話した。

那覇市の小学校教諭(45)は「いじめなど、現場が一番切実に感じている課題と、国会議員がやっていることがあまりにも乖離している」と指摘。「学校は世の中の縮図。根本の社会問題を放置したまま、教育だけを変えようとしても何も解決できない」と強調した。

本島中部の中学校教諭(40)は、国が二〇〇七年の実施を決めている「全国一斉学力テスト」で学校間格差が助長されることを危惧。「学校の平均点を上げるため、実施日に成績不振の子を強制的に休ませるなど、不正をする学校が出てきてもおかしくない。高校社会科履修漏れの広がりを考えれば、可能性は十分ある」と指摘した。

本島中部の「不登校」の子を持つ母親(41)は「親が登校させないとして処罰の対象になったり、学校が子どもに登校命令したりすることにならないか」と危機感をにじませた。

「新時代の理念」/仲井真知事

参院本会議で十五日成立した改正教育基本法について、仲井真弘多知事は同日の県議会十二月定例会で「制定当時と社会状況や教育を取り巻く環境は大きく変化しており、現行法の普遍的な理念は大切にしながら将来に向かって、新しい時代の教育の基本理念を明確にするための改正と認識している」と語った。奥平一夫氏(社大・結連合)への答弁。

沖縄タイムス2006年12月16日付

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